統計学は難しいよ、、国家資格にもちょっと出るけど、過去問の暗記だけていいや!!
将来に論文を書くわけでもないし!!
ちょっと待ってください。統計学を学ぶとメリットがいっぱいあります。患者さんを評価してデータを扱う職種なので誤った解釈をしないためにも学んだほうが良いと思います。臨床だけではなく私生活にも使えますしね。学ばないとできないからこそ職場では重宝されますよ
目次
理学療法士が統計学を学ぶメリットは以下の通りです。
- 検査・測定で得られた情報を正しく解釈できる
- 論文を解釈できるようになる
- 変な情報に騙されないようになる
- 研究をしようと思ったときに使用できる
では詳しく見ていきましょう。
論文を解釈できるようになる
臨床で患者さんを診るときはただ闇雲に患者さんを見ているわけではありません。過去から現在に至るまで頭の良いお偉いさんが研究をして明らかになった知見を用いて科学的根拠に基づいた臨床を行ってます。逆に研究は臨床で得られるデータや疑問を用いて科学的な知見を臨床に提供しています。臨床と研究は相互に関係し合っているのです。
臨床家は研究の成果物である論文を読んで最新の知見(1次情報)やそれがとりまとめられた書籍やレビュー(2次情報)を得ます。論文を読み、多くの知識を蓄え、目の前の患者さんにあった検査・測定方法や治療法を選択しているのです。
科学的根拠に基づいた理学療法を提供するには論文を読んだ方がいいですが、論文が読めないと論文を誤って解釈してしまい、臨床で思ったように効果が出ません。多くの論文は統計学の知識を利用しているため、正しく論文を読んで臨床に活かすためにも統計学を学ぶことは重要なのです。
理学療法学会も根拠に基づく理学療法を提唱しており、科学的根拠に基づいた臨床判断を行うことによって、質の高いた理学療法が求められています。そのため、国家試験や認定理学療法士の試験範囲にも統計学が含まれています。
検査・測定で得られた情報を正しく解釈できる
統計学を学ぶことで得られるメリットの2つ目は、ただの集められた情報(患者さんに行った検査・測定から得られた数値など)を意思決定の判断材料として用いることができることです。患者さんに検査・測定を行って得られた数値はこの記事(統計学とは)でも書いたようにある概念を数値化したにすぎません。検査や測定で得られた数値がどのような特性を持っているのか、どのような意味を含んでいるのかを考えることは臨床で誤った解釈を防ぐことにつながります。
変な情報に騙されないようになる
理学療法や作業療法のようなリハビリテーション分野がの日本に入ってきたのは約55年前と比較的若いです。そのため、明らかになっていないことが多いため、臨床に出た時に迷うことが多いです。迷ったときに論文や書籍を探すのですが、その時に気をつけなければならないことは自分の都合の良い文献のみを選んで読んでしまう(チェリーピッキング効果)ことです。統計学を学べば論文や書籍を批判的に吟味することができるため、臨床で誤った解釈を防ぐことにつながります。
研究をしようと思った時に使用できる
この記事(統計学とは)にも書きましたが、統計学は科学の文法とも言われています。理学療法学という学問も例外ではなく、理学療法学における多くの研究は統計学を利用して記述されています。統計学を学ぶことで研究のデザインを組む際にも助けになるので質の良い比較をする際には必要になります。
まとめると統計学を学ぶことで誤った解釈を防ぐことにつながり、また論文や書籍の情報を正しく解釈できるため、質の高い理学療法を提供することができるようになります。臨床だけではなく私生活においてもデータで騙されなくなるのでお金などで損をしにくくなりますよ!(もちろんお金の勉強も必要ですが、、)