片麻痺の方の歩行を観察する際に代表的な異常歩行パターンを覚えておくと歩行観察・分析の際に便利です。異常歩行のパターンは3×2=6つあります。
では詳しく見ていきましょう。
目次
立脚期の屈曲パターン
立脚期に膝関節が屈曲している歩容です。Buckling knee patternとStiff knee patternがありますが、どちらも立脚期で重心が上がらず、運動エネルギーを位置エネルギーに変換できないため、歩行の効率が下がります。
Buckling knee patternは荷重応答期に足関節の背屈を伴う膝関節の過剰屈曲が起こる歩容です。ガクッと沈むような印象を受けると思います。
Stiff knee patternは膝関節の運動が乏しい歩容です。膝関節がカタイような印象を受けると思います。
立脚期の伸展パターン
立脚期に膝関節が伸展する歩容です。Extention thrust patternとRecuvatum knee patternがありますが、どちらも進行方向とは逆に力が加わるので歩行の効率が下がります(代償で上半身・パッセンジャーユニットが前方に倒れ込むような運動をします)。また膝部に力学的な力が加わるので膝関節の過伸展に繋がる蓋然性が高いです。
初期接地直後から膝関節の急激な伸展が起こる歩容です。踵がついた直後から足部がパタンと地面を叩き(フットスラップ)下腿が十分に前方へ傾斜しないため、結果として膝関節が伸展してしまっていることが多いです。
単脚支持期に膝関節の急激な伸展が起こる歩容です。つまり、対側の下肢が床から離れた直後に立脚側の膝関節が急激に伸展します。
遊脚期の屈曲パターン
遊脚期に膝関節が屈曲しにくい歩容です。Stiff knee pattern1とStiff knee pattern2があります。どちらも遊脚期中の膝関節の屈曲が乏しく、足部クリアランスが十分でないため、体幹や股関節などで代償するような歩容となります。例えば足をぶん回してしまうとかですかね、
前遊脚期にも膝関節が屈曲しない歩容です。常に膝関節の運動が乏しいので恐る恐る歩いている感じに見えることが多いです。
•前遊脚期には屈曲が起こります。つまり足が床から離れた直後から膝関節の運動が乏しくなります。