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統計学の概要

理学療法学生
理学療法学生

養成校に入って統計学を学ぶけど、そもそも統計学って何?数式が一杯出てきて全くわからない、、

サバ君
サバ君

統計学と聞くと仮説検定による2群の比較を思い浮かべる人が多いようですが、それだけではありません。

統計学とは

統計学は厳密さを恐れずに言うと

「データをどのように分析し、どのような判断をくだしたら良いのか?」を論ずる学問であり、

「データの背景にある現象の法則性を知るための学問」です。

全体を入念に調べて全体の法則性を見出すことや、全体の中の一部を知ることで論理性のある推論から全体の法則性を導く手段です。理学療法分野の場合は全体を入念に調べること(全数調査)は難しいので全体の中の一部から全体を推論することが多いかもしれませんね、

リハビリであれば、

  • 脳卒中の全体の傾向がどうなっているのか?
  • 脊椎圧迫骨折の人にA運動療法とB運動療法を行った場合で差はあるのか?
  • ある患者のFIMの回復がどの程度回復するのはどの程度が予測する。
  • 歩行と筋力の関係性は?

などが多いように思います。

統計学の役割・目的

統計学の役割・目的には大きく分けると以下の分類になります。

  • データの背景にある概念の計量化
  • 手元にあるデータの要約
  • 予測
  • 仮説の検証
  • 分類

以下に5つの分類について説明していきます。

データの背景にある概念の計量化

療法士が患者さんに測定を行うときは一般的にはその測定によって得られるデータの背後にある概念を想定して測定を行ったり、測定結果の分析を行います。例えば

  • 「Borg Balance scale(BBS)」は「バランス機能」
  • 「Manuel Muscle Test(MMT)」は「筋力」
  • 「Range Of Motion(ROM)」は「関節可動域」

といったように「バランス機能」「筋力」「関節可動域」と言った概念を数値化することで客観的に表しています。特に歩行能力のように抽象度が高い概念は1つのデータでは概念を表しきれないので置き換えるデータが1つではなかったり、分析者の主観に依存します。

手元にあるデータの要約

手元にあるデータがどのようなデータなのか?どのような特徴を持っているのか?を知るためにデータを要約したり、グラフでデータを可視化したり、2種類の変数間の関係性を数値化したりすることができます。このような手法を用いることで手元にあるデータにどのような意味があるのかを容易に判断することができます。

予測

リハビリでは予後予測をすることがあります。有名どころで言えば、二木の予後予測小山のFIMの帰結予測がありますね。あらかじめ大量のデータを用いてその現象の法則性(今回で言えばどんな回復経過を辿るのか?)が分かれば、手元にあるデータを用いて未確定・未知のデータを予測することができます。具体的な統計手法であれば、回帰分析や時系列分析があります。

仮説の検証

皆さん、お馴染みの仮説の検定です。リハビリ分野における多くの論文はこの統計手法を用いているように思います。仮説の検定はまず仮説を立て(例えば2群の母集団の平均値に差がないなど:母集団の説明はまた違う記事にて)その仮説が正しいのかを統計学的に判断する手法です。多くの場合は帰無仮説という(棄却されることが望まれている?)仮説を立て、帰無仮説が棄却されたときにその対立である対立仮説が結論となります。

分類

分類問題は脳卒中片麻痺患者の歩き方の分類やどのような患者が痛みを感じやすいのかを明らかにする時に分類をすることが多いです。具体的な統計手法を挙げると、決定木やk-meansなど聞いたことがないような少し小難しい手法があります。

統計学にはなぜ数式がいっぱいなのか?

ガリレオ
ガリレイ
ガリレオ ガリレイ

自然とは数字という言語で書かれた書物である

カール・
ピアソン
カール・ ピアソン

統計学とは「科学の文法」である(The grammer of Science)

みなさんがよく知っているガリレオ・ガリレイや近代統計学理論の基礎の建設者であるカール・ピアソンはこのように述べており、統計学は数学という諸学問の共通言語で記述されています。数学の論理を用いることで論理の一般性や汎用性があるのです。そのため、あらゆる学問に応用されています。理学療法学やリハビリテーションも応用されている学問の1つです。

統計学の枠組み

統計学とは先に述べたようにデータの背景にある現象の法則性を知るための学問です。データ(全体)の法則性を知るためには全体を良く調べて調べることが一番の方法です。この方法を用いているのが国勢調査です。全体のデータを可能な限り手元に得て、全体の法則性や傾向を調べる。このような手元にあるデータの法則性を調べる統計を記述統計と言います。理学療法分野などの論文で良く見かける一部を調べて全体を推測する統計は統計的推測と呼ばれ、確率という数学理論を用いて一部を調べて全体を推測しています。このような手法が打ち立てられたのはここ一世紀ほどで近代統計学とも言われています。

ここ最近聞くことが多くなったベイズ統計は実はこの近代統計学よりも歴史が古いですが、コンピューターの計算能力の速度向上によって人気が再燃しています。機械学習や深層学習もそうです。

まとめ

とりあえずざっと統計学について記述しました。わかりにくいとことや詳しく知りたいところがあればコメントしてください。更新します

脱・統計学苦手療法士ロードマップ

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